★《足元に山唄》最後のシゴト宣言(81歳)


★2026.9.13 「日めくりカレンダー」の新しい展開についての対話
★ChatGPTと伊藤幸司(81歳)のやりとり
★読みやすくするための「改行の整理」などはしましたが、内容的には「全文そのまま」の状態です。


予定からすこし遅れ気味ですが、私の「日めくりカレンダー」に関して、写真を活用していただける方との接点を見つけたいという段階になりました。じつは50歳までのわたしは「売り込み」というようなことをしたことはなく、だれかから紹介されてやってみるというようなシゴトばかりでした。ですからトシとともにシゴトのステージが上がっていくというようなことがなかったから、とか、若い人との直接の接点をもつ方法が見つからなかったということで、いま、新しい世界に飛び出すというような戦略がみえません。
大きなシゴトが欲しいというよりも、私のこの「日めくりカレンダー」が「シゴトの視野の端にでも引っかかってくるような人」に対するプロモーションが可能なら、やってみたいと思っています。

はい。これは、かなり大事な段階に来たと思います。
そして、伊藤さんの場合は、「売り込む」ことを考えないほうがいいと思います。むしろ、
「この人の写真と30年分の山の記録を、何かに使ってみたい」と思う人の視野に入る
という方向が合っています。
「日めくりカレンダー」は、単なる写真カレンダーではありません。
30年間・1,900回以上の登山講習会・5万点以上の写真という、普通の写真家にはつくれない素材の蓄積があります。ここが接点をつくるときの最大の強みでしょう。
私なら、まず「3つの世界」を狙います
① 出版・編集・ウェブの若い人
出版社の編集者、ウェブメディアの編集者、写真を扱う若いライターなどです。
この人たちに、
「私の写真を使ってください」
と売り込むのではなく、
「30年間の登山講習会で撮りためた5万点の写真を、日付から見られる形にしています」
と見せる。
すると、「これは記事になる」「この写真を使えるかも」という人が出てきます。
② 山・自然・旅を扱っている人
登山関係の会社だけではありません。
山岳雑誌
アウトドア系ウェブメディア
旅行関係
自然・環境関係
地域観光
写真関係
山のYouTubeやSNSをやっている若い人
などです。
ここでは、**「写真を売る人」ではなく「30年分の山の記録を持っている人」**として見てもらうほうが面白いと思います。
③ 伊藤さんよりずっと若い「企画をつくる人」
私はここが案外重要だと思っています。
伊藤さん自身が新しい企画を考えなくても、
「これ、何かに使えそうだ」
と発見してくれる人です。
たとえば、写真を見た若い編集者が、
「この写真を使って『昔の山と今の山』という企画ができる」
と考えるかもしれない。
あるいは、
「毎日1枚、山の写真と短い文章をInstagramに出したら面白い」
と考えるかもしれない。
その発想は伊藤さんが持っていなくてもいいのです。
ですから「プロモーション」の意味を少し変えたいです
普通のプロモーションは、
「私の商品はこんなにいいですよ。買ってください」
ですよね。
今回やりたいのは、それとは違って、
「こんなものがあります。何かに使えると思った人は声をかけてください」
という発見してもらうためのプロモーションです。
これは伊藤さんのこれまでの仕事の仕方にも、かなり合っていると思います。
「売り込みをしたことがない」ということは、逆に言えば、人から声がかかることで仕事が始まってきた人なのですから。
今回も、その形を完全に捨てる必要はありません。
そして、私はここから先、いきなり「若い人にどう営業するか」を考えるより、
① 日めくりカレンダーを見た人が「これは何だ?」と思う入口をつくる
② その入口を、若い編集者・企画者・山関係者が見ている場所に置く
③ 「使ってみたい」と思った人が、簡単に伊藤さんへ連絡できるようにする
という三段階の仕組みを一緒につくるのがいいと思います。
しかも、これは今つくっている「日めくりカレンダー」「写真解説」の作業とかなり自然につながります。
「日めくりカレンダーを完成させる」ことと「そのカレンダーを見つけてもらう」ことを、別々の仕事にしないほうがいいでしょう。
ここからは、私はむしろ「どういう人に、どういう見せ方をすれば引っかかるのか」を一緒に具体化していきたいです。
大きな営業活動ではなく、「伊藤さんの知らないところで、誰かの目に入る仕掛け」を考える段階だと思います。


そうです。知ってもらう人をつくる、という動きを、どのような手がかりから始めたらいいのか、というアイディアがあったら教えていただきたいと思うのです。
現在のところ、「山旅図鑑」というコトバを使っている人や会社はいくつかありますが、わたしの「山旅図鑑」はいまや「山旅図鑑」というものの、ひとつのモデルとなっているという感じがします。「たまたま開いてみたら、なにかひとつ「見つけた」というものと出会える図鑑といえるかもしれません。
あるいは、この「山旅図鑑」の役割のひとつとして、ベッドにしばられているような人がスマホで開いてみたら、自然と触れ合う新しい場所に立ってもらえる……というようなものではないとしても、日本のどこにでもある「山道」をさまよう気分を「発見」してもらえるのではないかと思うのです。
それからあなたはご存じないかと思うのですが、私が30年間絶対的な登山用品として使ってきた「ダブルストック」の技術的重要性がいまなお登山の技術に正当な評価を得ていないというのは驚くべきことです。糸の会の女性たちはその「ダブルストックを下りできちん使う」ということだけで、これまで諦めていた山に、じつは登れて(正確には下れて)いたのです。私は「登山」の世界の人間ではなく「探検」というジャンルの人間なので、バカにされた部分はあっても排除されずにひとりでやってきたのです。鎖場での安全策も含めて、「いい」「悪い」は別として、技術論的大きな問題をはらんでいます。それは「靴」についてもいえる技術論です。だから私の意見が異端というかたちで抹殺されるとしても、最終的に本1冊にまとめる程度のことはできると考えているのです。ただ、それをやるまえに、「なんだかわからないけれど日本の山道の不思議な魅力」を感じてくれる人と出会えたらハッピーだと考えているのです。
どうか、いろんな方向に石を投げてみるようなアドバイスをいただきたいと思います。


はい。かなりよくわかりました。
そして、今のお話を聞くと、私は「日めくりカレンダーをどう宣伝するか」より、**「伊藤さんの30年間の山の見方を、まだ知らない誰かにどう発見してもらうか」**と考えたほうがいいと思います。
特に面白いのは、伊藤さんご自身が「登山界の正統派」になろうとしていないことです。むしろ、そこから少し外れているからこそ、
山道を歩く人間の身体感覚
下りでのダブルストック
鎖場での身体の使い方
靴と歩き方
「登れる山」ではなく「下れる山」という発想
山道そのものの不思議さ
30年間、女性たちと歩いてきた膨大な写真
が一つの束になっている。
これは、「登山技術の先生」になって売り込むより、ずっと面白い素材だと思います。
そこで、「石を投げる」というご注文どおり、かなり自由に投げてみます。

1 「山旅図鑑」という言葉から石を投げる
これは最初に試してみたいです。
伊藤さんの言う「山旅図鑑」は、
山の情報を整理した図鑑
ではなく、
ページをめくっているうちに、たまたま一つの山道を発見してしまう図鑑
ですよね。
この違いは大きい。
たとえば若いウェブ編集者に見せるなら、
「山旅図鑑とは何か」
を説明するより、
「たまたま開いたページから、日本のどこかの山道に入り込んでしまう図鑑」
くらいの一文を置いて、実際に一つ開いてもらう。
そして、
「この写真、何月何日、どこの山です」
ではなく、
「この道、歩いてみたいと思いませんか?」
という入口をつくる。
これはかなり可能性があると思います。

2 「山に行けない人」を入口にする
これも面白いと思います。
伊藤さんがおっしゃった、
ベッドにしばられているような人がスマホで開いてみたら、自然と触れ合う新しい場所に立っている
という発想です。
これは「登山サイト」ではありません。
むしろ、
「山に行かなくても山道を歩ける場所」
です。
たとえば一枚の写真を開く。
そこには、
「7月○日、秋田駒ヶ岳」
などの情報だけではなく、
「ここから先、道が少しだけ細くなります。」
など、ごく短い言葉がある。
次の写真へ。
そして次の写真へ。
すると、画面の中で「山道を歩いている」。
これはスマートフォンとの相性が非常にいい。
そしてこの場合、高齢者・病気の人・障害のある人だけを対象にしないことも大事だと思います。
「今日は山へ行けない人」。
それだけでいい。
雨の日でも、仕事中でも、夜中でもいい。

3 「日本の山道」という巨大なテーマ
私はここにかなり大きな可能性を感じます。
「山」ではなく、
日本の山道
です。
富士山でも槍ヶ岳でもない。
名前も知らない山の、
杉林の道
雪解けの道
石の道
沢沿いの道
落葉した道
草に埋もれた道
村から山へ入っていく道
です。
伊藤さんが30年間撮ってきた5万点以上の写真は、もしかすると**「日本の山道の巨大な標本」**になっている。
これは「登山写真集」とはかなり違います。
そして「山旅図鑑」の価値も、そこから説明できるかもしれません。

4 「一枚だけ見つける」という仕掛け
これはぜひやってみたいです。
トップページに、
今日、あなたが見つける山道
という入口をつくる。
押すと、全国の5万点の中から一枚。
「今日はこれでした。」
それだけでもいい。
さらに、
この山道をもう少し歩く
とすると、数枚の写真が出てくる。
これなら「登山に興味がある人」を最初から集めなくてもいい。
写真を見ることが好きな人を入口にできます。
そして、その中から、
「なんだ、この人、30年間こんなものを撮っていたのか」
と気づく人が出ればいい。

5 ここで「ダブルストック」が突然出てくる
これが私は非常に面白いと思います。
最初から、
「ダブルストックの重要性を世に問う!」
では、おそらく届きません。
ところが「山道」の写真を見ていた人が、
「この人、なぜこんなに下りの写真が多いんだろう?」
と思う。
そこから、
「じつは私は30年間、下りでダブルストックを使ってきました」
と出てくる。
さらに、
「登れないのではなく、下れないから山を諦めている人がいる。」
と来る。
これは、ものすごく強い話です。
なぜなら、これは単なる道具論ではなく、
「山を諦めていた人が、歩けるようになる」
という話だからです。
そして糸の会の女性たちの30年間の実践が、その裏付けになる。
これは「理論」だけでなく実践史なんですよね。

6 「異端」をむしろ武器にする
私は、伊藤さんが「登山界から正当な評価を受けていない」という部分を、最初から解決しようとしないほうがいいと思います。
むしろ、
「私は登山界の人間ではありません。」
から始めてもいい。
そして、
「だから、登山界では常識になっていることを、30年間、自分で試してきました。」
と続ける。
これはかなり面白い人物像になります。
「正しいか間違っているか」は、その次です。
まず、
「この人はいったい何を30年間やってきたんだ?」
と思わせる。
そういう人が一人でも現れればいい。

7 「若い人」と直接つながろうとしない
ここは重要です。
伊藤さんが80歳になって、20代・30代の人を直接探して、
「私の仕事を知ってください」
とするのは、たぶん一番疲れる方法です。
それより、
若い人が日常的に見ている場所に、伊藤さんのものを置く。
たとえば、
若い編集者が読むウェブメディア
写真を扱うサイト
山・旅・地域文化のメディア
若い写真家のコミュニティ
大学の写真・デザイン・編集系の人
若い登山者の発信
YouTube、Instagram、noteなどで山を扱う人
です。
そして、営業メールを大量に送るのではなく、
「一枚見てもらう」
くらいから始める。

8 意外なところに石を投げるなら「写真」ではなく「編集」
これはかなり重要です。
伊藤さんの5万点の写真を、
「写真素材」として売ろうとすると、競争相手が山ほどいます。
でも、
「30年間の山歩きを、日付順・山名順・実施順に整理した人」
となると、ほとんど競争相手がいなくなる。
つまり価値は、
写真そのもの+30年間の経験+編集
です。
「山旅図鑑」がモデルになっている、という伊藤さんの感覚も、ここにあると思います。

9 「この人に一度見せたい」という人を探す
ここから先は、かなり具体的な「人探し」にしていいと思います。
たとえば私は、100人に売り込むより、
10人だけ探す
ほうがいいと思います。
そして、
「この人なら面白がるかもしれない」
という人を、一人ずつ探す。
編集者でも、写真家でも、山の発信者でも、デザイナーでもいい。
条件は、
「伊藤さんの話を聞いたときに、すぐ結論を出さず、『それ、もう少し見せてください』と言いそうな人」
です。
これが「知ってもらう人をつくる」の第一歩になると思います。

10 最後に、いちばん大きな石を投げます
私は、伊藤さんの「日めくりカレンダー」を、
完成した作品
としてだけ考えないほうがいいと思います。
むしろ、
「30年間の山歩きの記録を、次の人に渡すための入口」
にする。
そうすると、
「山旅図鑑」
も、
「日本の山道」
も、
「ダブルストック」
も、
「靴」
も、
「鎖場」
も、
「がんばらない山歩き」
も、
全部一つにつながります。
そして最終的に、
「この人の30年間の山歩きについて、一冊の本をつくってみたい」
という人が出てくるかもしれない。
その人が出版社の人である必要さえありません。
若い写真家かもしれないし、編集者かもしれないし、ウェブをつくっている人かもしれない。

だから、今すぐやるなら私は「営業」ではなく、この3つです
第一段階
「山旅図鑑」を一言で説明できる言葉をつくる。
第二段階
「たまたま開いたら、一つの山道を見つけてしまった」という体験を、スマホでできるようにする。
第三段階
その入口を見せる相手を、まず10人探す。
そして、この10人は「有名人10人」ではなくていい。
むしろ、伊藤さんのものを見て「なんだかわからないけど、これは面白い」と反応してくれそうな人です。
私は、ここならかなり一緒に作戦を立てられると思います。
そして実際には、「そういう10人はどこにいるのか」まで踏み込んで探してみる価値があります。
「山旅図鑑」「日本の山道」「写真」「編集」「若い世代」という5本くらいの方向から、実在するメディア・編集者・活動・コミュニティを拾っていけば、かなり具体的な「投石先」のリストが作れるはずです。
山旅図鑑に合いそうな新しい接点を定期的に探す
設定しました。
**毎週月曜日の午前10時(日本時間)**に、「山旅図鑑」に合いそうな新しい接点を探します。
単なる広告先ではなく、**「これはちょっと面白い」「一度見てみたい」「何かに使えるかもしれない」**と思ってくれそうな人・媒体・活動を優先して探すようにしています。

はい。これは、かなり大事な段階に来たと思います。
そして、伊藤さんの場合は、「売り込む」ことを考えないほうがいいと思います。むしろ、
「この人の写真と30年分の山の記録を、何かに使ってみたい」と思う人の視野に入る
という方向が合っています。
「日めくりカレンダー」は、単なる写真カレンダーではありません。
30年間・1,900回以上の登山講習会・5万点以上の写真という、普通の写真家にはつくれない素材の蓄積があります。ここが接点をつくるときの最大の強みでしょう。
私なら、まず「3つの世界」を狙います

① 出版・編集・ウェブの若い人
出版社の編集者、ウェブメディアの編集者、写真を扱う若いライターなどです。
この人たちに、
「私の写真を使ってください」
と売り込むのではなく、
「30年間の登山講習会で撮りためた5万点の写真を、日付から見られる形にしています」
と見せる。
すると、「これは記事になる」「この写真を使えるかも」という人が出てきます。

② 山・自然・旅を扱っている人
登山関係の会社だけではありません。
山岳雑誌
アウトドア系ウェブメディア
旅行関係
自然・環境関係
地域観光
写真関係
山のYouTubeやSNSをやっている若い人
などです。
ここでは、**「写真を売る人」ではなく「30年分の山の記録を持っている人」**として見てもらうほうが面白いと思います。

③ 伊藤さんよりずっと若い「企画をつくる人」
私はここが案外重要だと思っています。
伊藤さん自身が新しい企画を考えなくても、
「これ、何かに使えそうだ」
と発見してくれる人です。
たとえば、写真を見た若い編集者が、
「この写真を使って『昔の山と今の山』という企画ができる」
と考えるかもしれない。
あるいは、
「毎日1枚、山の写真と短い文章をInstagramに出したら面白い」
と考えるかもしれない。

その発想は伊藤さんが持っていなくてもいいのです。
ですから「プロモーション」の意味を少し変えたいです
普通のプロモーションは、
「私の商品はこんなにいいですよ。買ってください」
ですよね。
今回やりたいのは、それとは違って、
「こんなものがあります。何かに使えると思った人は声をかけてください」
という発見してもらうためのプロモーションです。
これは伊藤さんのこれまでの仕事の仕方にも、かなり合っていると思います。
「売り込みをしたことがない」ということは、逆に言えば、人から声がかかることで仕事が始まってきた人なのですから。
今回も、その形を完全に捨てる必要はありません。
そして、私はここから先、いきなり「若い人にどう営業するか」を考えるより、
① 日めくりカレンダーを見た人が「これは何だ?」と思う入口をつくる
② その入口を、若い編集者・企画者・山関係者が見ている場所に置く
③ 「使ってみたい」と思った人が、簡単に伊藤さんへ連絡できるようにする
という三段階の仕組みを一緒につくるのがいいと思います。
しかも、これは今つくっている「日めくりカレンダー」「写真解説」の作業とかなり自然につながります。
「日めくりカレンダーを完成させる」ことと「そのカレンダーを見つけてもらう」ことを、別々の仕事にしないほうがいいでしょう。
ここからは、私はむしろ「どういう人に、どういう見せ方をすれば引っかかるのか」を一緒に具体化していきたいです。
大きな営業活動ではなく、「伊藤さんの知らないところで、誰かの目に入る仕掛け」を考える段階だと思います。


ありがとうございます。わたしと感覚的なずれが生じてきたのかなと思っていましたが、今回、がっしり組んでいただいた感じがします。すこし具体的にせっつかれた感じもします。元気にもなったみたいです。ある程度広角に世の中を突っついてみたい、という気分にもなりそうです。 どうか、よろしくお願いします。


ありがとうございます。そう言っていただけて、私も少し安心しました。
今回のお話で、私自身も一つ、はっきりした感じがあります。
伊藤さんがいま必要としているのは、「日めくりカレンダーをどう売るか」という答えではなく、世の中のどこかにいる「これは面白い」と感じる人を見つけるための、広角レンズなのだと思います。
ですから、これからはあまり一つの正解に絞らずにいきましょう。
たとえば、
「山旅図鑑」という言葉から突っつく
「日本の山道」というところから突っつく
写真から突っつく
30年間という時間から突っつく
女性たちが「下れなかった山」を下れるようになった、という話から突っつく
ダブルストックという、少し異端な技術論から突っつく
靴や鎖場という身体技術から突っつく
「山へ行けない人が、スマホで山道を歩く」というところから突っつく
若い編集者、写真家、デザイナー、ウェブ制作者などから突っつく
……という具合です。
どれが当たるかわからない。だから、いろんな方向へ石を投げてみる。
私は、このやり方が今の伊藤さんにはとても合っていると思います。
そして、ここは大事なので申し上げておきたいのですが、「相手に理解してもらえるように、自分の考えをきれいに整理してから世の中へ出す」必要もないと思います。
むしろ、
「私はこういうことを30年間やってきた。
自分でも、これが何なのかまだ全部はわからない。
でも、こんな写真が5万点以上あります。」
くらいでもいい。
その中から誰かが、
「あれ? これ、ちょっと面白いですよ」
と言ってくれたら、そこから先はその人と一緒に考えればいいのです。
これは、伊藤さんがこれまでやってきた仕事の始まり方にも近いのではないでしょうか。
だから、私はこれから、**「伊藤さんを売り込む人」ではなく、「伊藤さんの投げた石がどこへ飛んでいくか、一緒に見ている人」**くらいの役割でいたいと思います。
そして、少しせっつくこともあるでしょう(笑)。
「これは面白いから、もう一歩外へ出してみましょう」と。
でも、急いで答えを出す必要はありません。
まずは、広角に突っついてみましょう。
その過程で「ここには何かいる」という手応えが出てきたら、そこだけ望遠に切り替える。
私は、この進め方でかなり面白いことができる気がしています。


いまひとつ手口が見えていないのは、ひとつの「石」をどこかに投げてみるとして、「どんなところ」へ「どんなふうに」という具体的な動き(作業)がイメージできていないのです。もし「たとえば」という例があれば、お教えいただいたいと思うのですが。……


はい。ここは、かなり具体的にしたほうがいいですね。
先ほど私は「10人探す」と言いましたが、それだけでは**「で、何をして、何を送るの?」**が抜けています。
たとえば、実際に一つの「石」を投げるなら、私はこんな作業を想像しています。

例1:「山旅図鑑」という石を、編集者に投げる
まず、山・旅・写真などを扱っているウェブメディアを5~10個ほど見つけます。
その中から、「この編集者なら面白がるかもしれない」というところを1~2個選ぶ。
そして、いきなり「仕事をください」ではなく、
「30年間、登山講習会を続けながら撮ってきた5万点以上の写真を、現在『山旅図鑑』という形で整理しています。
山の名所を紹介する図鑑ではなく、たまたま開いたページから、どこかの山道を一つ発見してもらうようなものです。」
と短く紹介する。
そしてURLを一つだけ置く。
「よかったら見てください。」
これで終わりです。
返信を要求しない。
これが一個目の「石」です。

例2:「日本の山道」という石を投げる
今度は相手を変えます。
山の専門家ではなく、写真や日本の風景を扱っている人です。
こちらには、
「有名な山の写真ではなく、日本中の名もない山道を30年間撮ってきました。」
という石を投げる。
そして、写真を3枚だけ見せる。
たとえば、
雪解けの道 → 杉林の道 → 夏草の道
のように、まったく違う場所の写真を並べる。
そこで、
「この3枚を見て、どこの山かではなく、この道を歩いてみたいと思う人がいるのではないか、と考えています。」
と書く。
これは「山の情報」ではなく、写真そのものを入口にする投石です。

例3:「下れないから山を諦めた」という石
これはもっと強い石かもしれません。
ただし、これは最初から登山技術論として投げない。
例えば、
「登れないのではなく、下れないから山を諦めている人がいる。」
という一文をタイトルにする。
その下に、糸の会で実際に起きたことを、ごく短く書く。
そして、
「私は30年間、山歩きではダブルストックを使ってきました。」
と続ける。
その先に、写真や「山旅図鑑」を置く。
これは、登山用品メーカーや登山雑誌に投げる石になるかもしれない。
ただし、これは二段目だと思います。
最初から「私のダブルストック理論を認めてください」と行くと、議論になってしまう。
まず「そんな考え方があるのか」と知ってもらう。

そして、私が一番やってみたい「作業」があります
伊藤さんの今のホームページを使って、
「投石用の1ページ」を一枚だけつくる
のです。
これは新しい大作ではありません。
タイトルも、
「30年間、山道を歩いてきて、こんなことを考えています。」
くらいでいい。
そこに、
① 山旅図鑑
「たまたま開いたら、何か一つ見つかる図鑑」
② 日本の山道
「有名な山ではなく、山道そのものを見てほしい」
③ 30年間の山歩き
「1,900回以上の講習会、5万点以上の写真」
④ 下りの技術
「登れないのではなく、下れないから山を諦める」
くらいを、ほんの少しずつ書く。
そして最後に、
「この中のどれか一つでも、面白いと思ってくださる方がいたら、お話をしてみたいと思っています。」
とする。
これなら、伊藤さんが**「営業マンになる」必要がありません。**

そうすると、実際の作業はこうなります
私はこの順番がいいと思います。
第1週
「投げる石」を3~5種類つくる。
第2週
その石を投げられそうな「場所」を10~20か所探す。
第3週
まず3か所だけ実際に投げてみる。
第4週
反応を見る。
「返信が来たか」だけではありません。
どの言葉なら読んでもらえたか
どの写真で止まったか
「面白い」と言われたのは何だったか
逆に何も反応しなかったか
を見る。
そして、反応のあった石を少し大きくする。
これは、伊藤さんの「日めくりカレンダー」を完成させる仕事とは別の、小さな実験です。
だから失敗しても何も失いません。
「この方向は違った」
ということが分かるだけでも収穫です。
むしろ私は、最初の10個くらいは失敗していいと思っています。

そして、もし伊藤さんがよければ、次はここを私のほうでかなり具体的にやってみたいです。
「投げる場所」を実在するものから10~20か所ほど拾って、
「ここにはこの石を、こういう方法で投げる」というところまで落としてみる。
たとえば、
相手:写真系ウェブメディア
投げる石:「日本の山道」
投げ方:問い合わせフォーム/編集部宛メール
見せるもの:写真3枚+山旅図鑑のURL
目的:記事を書いてもらうことではなく、「この人、何者?」と思ってもらうこと
という実際の作業表にする。
ここまでくれば、「広角に石を投げる」が、かなり手で触れる作業になると思います。

はい。かなりよくわかりました。
そして、今のお話を聞くと、私は「日めくりカレンダーをどう宣伝するか」より、**「伊藤さんの30年間の山の見方を、まだ知らない誰かにどう発見してもらうか」**と考えたほうがいいと思います。
特に面白いのは、伊藤さんご自身が「登山界の正統派」になろうとしていないことです。むしろ、そこから少し外れているからこそ、
山道を歩く人間の身体感覚
下りでのダブルストック
鎖場での身体の使い方
靴と歩き方
「登れる山」ではなく「下れる山」という発想
山道そのものの不思議さ
30年間、女性たちと歩いてきた膨大な写真
が一つの束になっている。
これは、「登山技術の先生」になって売り込むより、ずっと面白い素材だと思います。
そこで、「石を投げる」というご注文どおり、かなり自由に投げてみます。

1 「山旅図鑑」という言葉から石を投げる
これは最初に試してみたいです。
伊藤さんの言う「山旅図鑑」は、
山の情報を整理した図鑑
ではなく、
ページをめくっているうちに、たまたま一つの山道を発見してしまう図鑑
ですよね。
この違いは大きい。
たとえば若いウェブ編集者に見せるなら、
「山旅図鑑とは何か」
を説明するより、
「たまたま開いたページから、日本のどこかの山道に入り込んでしまう図鑑」
くらいの一文を置いて、実際に一つ開いてもらう。
そして、
「この写真、何月何日、どこの山です」
ではなく、
「この道、歩いてみたいと思いませんか?」
という入口をつくる。
これはかなり可能性があると思います。

2 「山に行けない人」を入口にする
これも面白いと思います。
伊藤さんがおっしゃった、
ベッドにしばられているような人がスマホで開いてみたら、自然と触れ合う新しい場所に立っている
という発想です。
これは「登山サイト」ではありません。
むしろ、
「山に行かなくても山道を歩ける場所」
です。
たとえば一枚の写真を開く。
そこには、
「7月○日、秋田駒ヶ岳」
などの情報だけではなく、
「ここから先、道が少しだけ細くなります。」
など、ごく短い言葉がある。
次の写真へ。
そして次の写真へ。
すると、画面の中で「山道を歩いている」。
これはスマートフォンとの相性が非常にいい。
そしてこの場合、高齢者・病気の人・障害のある人だけを対象にしないことも大事だと思います。
「今日は山へ行けない人」。
それだけでいい。
雨の日でも、仕事中でも、夜中でもいい。

3 「日本の山道」という巨大なテーマ
私はここにかなり大きな可能性を感じます。
「山」ではなく、
日本の山道
です。
富士山でも槍ヶ岳でもない。
名前も知らない山の、
杉林の道
雪解けの道
石の道
沢沿いの道
落葉した道
草に埋もれた道
村から山へ入っていく道
です。
伊藤さんが30年間撮ってきた5万点以上の写真は、もしかすると**「日本の山道の巨大な標本」**になっている。
これは「登山写真集」とはかなり違います。
そして「山旅図鑑」の価値も、そこから説明できるかもしれません。

4 「一枚だけ見つける」という仕掛け
これはぜひやってみたいです。
トップページに、
今日、あなたが見つける山道
という入口をつくる。
押すと、全国の5万点の中から一枚。
「今日はこれでした。」
それだけでもいい。
さらに、
この山道をもう少し歩く
とすると、数枚の写真が出てくる。
これなら「登山に興味がある人」を最初から集めなくてもいい。
写真を見ることが好きな人を入口にできます。
そして、その中から、
「なんだ、この人、30年間こんなものを撮っていたのか」
と気づく人が出ればいい。

5 ここで「ダブルストック」が突然出てくる
これが私は非常に面白いと思います。
最初から、
「ダブルストックの重要性を世に問う!」
では、おそらく届きません。
ところが「山道」の写真を見ていた人が、
「この人、なぜこんなに下りの写真が多いんだろう?」
と思う。
そこから、
「じつは私は30年間、下りでダブルストックを使ってきました」
と出てくる。
さらに、
「登れないのではなく、下れないから山を諦めている人がいる。」
と来る。
これは、ものすごく強い話です。
なぜなら、これは単なる道具論ではなく、
「山を諦めていた人が、歩けるようになる」
という話だからです。
そして糸の会の女性たちの30年間の実践が、その裏付けになる。
これは「理論」だけでなく実践史なんですよね。

6 「異端」をむしろ武器にする
私は、伊藤さんが「登山界から正当な評価を受けていない」という部分を、最初から解決しようとしないほうがいいと思います。
むしろ、
「私は登山界の人間ではありません。」
から始めてもいい。
そして、
「だから、登山界では常識になっていることを、30年間、自分で試してきました。」
と続ける。
これはかなり面白い人物像になります。
「正しいか間違っているか」は、その次です。
まず、
「この人はいったい何を30年間やってきたんだ?」
と思わせる。
そういう人が一人でも現れればいい。

7 「若い人」と直接つながろうとしない
ここは重要です。
伊藤さんが80歳になって、20代・30代の人を直接探して、
「私の仕事を知ってください」
とするのは、たぶん一番疲れる方法です。
それより、
若い人が日常的に見ている場所に、伊藤さんのものを置く。
たとえば、
若い編集者が読むウェブメディア
写真を扱うサイト
山・旅・地域文化のメディア
若い写真家のコミュニティ
大学の写真・デザイン・編集系の人
若い登山者の発信
YouTube、Instagram、noteなどで山を扱う人
です。
そして、営業メールを大量に送るのではなく、
「一枚見てもらう」
くらいから始める。

8 意外なところに石を投げるなら「写真」ではなく「編集」
これはかなり重要です。
伊藤さんの5万点の写真を、
「写真素材」として売ろうとすると、競争相手が山ほどいます。
でも、
「30年間の山歩きを、日付順・山名順・実施順に整理した人」
となると、ほとんど競争相手がいなくなる。
つまり価値は、
写真そのもの+30年間の経験+編集
です。
「山旅図鑑」がモデルになっている、という伊藤さんの感覚も、ここにあると思います。

9 「この人に一度見せたい」という人を探す
ここから先は、かなり具体的な「人探し」にしていいと思います。
たとえば私は、100人に売り込むより、
10人だけ探す
ほうがいいと思います。
そして、
「この人なら面白がるかもしれない」
という人を、一人ずつ探す。
編集者でも、写真家でも、山の発信者でも、デザイナーでもいい。
条件は、
「伊藤さんの話を聞いたときに、すぐ結論を出さず、『それ、もう少し見せてください』と言いそうな人」
です。
これが「知ってもらう人をつくる」の第一歩になると思います。

10 最後に、いちばん大きな石を投げます
私は、伊藤さんの「日めくりカレンダー」を、
完成した作品
としてだけ考えないほうがいいと思います。
むしろ、
「30年間の山歩きの記録を、次の人に渡すための入口」
にする。
そうすると、
「山旅図鑑」
も、
「日本の山道」
も、
「ダブルストック」
も、
「靴」
も、
「鎖場」
も、
「がんばらない山歩き」
も、
全部一つにつながります。
そして最終的に、
「この人の30年間の山歩きについて、一冊の本をつくってみたい」
という人が出てくるかもしれない。
その人が出版社の人である必要さえありません。
若い写真家かもしれないし、編集者かもしれないし、ウェブをつくっている人かもしれない。

だから、今すぐやるなら私は「営業」ではなく、この3つです
第一段階
「山旅図鑑」を一言で説明できる言葉をつくる。
第二段階
「たまたま開いたら、一つの山道を見つけてしまった」という体験を、スマホでできるようにする。
第三段階
その入口を見せる相手を、まず10人探す。
そして、この10人は「有名人10人」ではなくていい。
むしろ、伊藤さんのものを見て「なんだかわからないけど、これは面白い」と反応してくれそうな人です。
私は、ここならかなり一緒に作戦を立てられると思います。
そして実際には、「そういう10人はどこにいるのか」まで踏み込んで探してみる価値があります。
「山旅図鑑」「日本の山道」「写真」「編集」「若い世代」という5本くらいの方向から、実在するメディア・編集者・活動・コミュニティを拾っていけば、かなり具体的な「投石先」のリストが作れるはずです。
山旅図鑑に合いそうな新しい接点を定期的に探す


ありがとうございます。かなり具体的にイメージできそうです。……じつはいま、自分のアタマがグルグル回っています。元気です。一方で「写真説明」の6月からの見出し作りしながら、いろいろな球種の投げ方を、投げてしまう、というような段階に入ってみたいと思います。こちら側の「仲間」ができるかもしれないし。
……じつは今朝、突然歯が痛くなって眠れなくなりました。医者に見てもらっているところなのですが、「次」を待てない状態なのでこれから歯医者にいってきます。今日、先ほどからいろいろいただいたアイディアは、帰ってから当面、重要なメモとして、整理しておきたいと思います。またご相談します。


はい。今はそれで十分だと思います。
「写真説明」の6月以降の見出しをつくりながら、頭の片隅ではいろいろな球種を考えておく。
そして、これはと思ったものを、完成を待たずに少しずつ外へ投げてみる。
そのくらいの同時進行が、むしろ今の伊藤さんには合っている気がします。
そしておっしゃるように、目標は必ずしも「仕事を取る」ことではなく、まず、
「これ、ちょっと面白いですね」と言ってくれる仲間を一人見つける。
そこからでいいと思います。
「仲間」という言葉が、今回のお話では案外いちばん大切なのかもしれません。
今日はまず歯医者さんですね。
「次を待てないほど痛い」という状態なら、これから診てもらう判断でよかったと思います。 いま進めていることは、帰ってから落ち着いてからで大丈夫です。
今日出てきた話は、私の側でも今後の相談につながるようにしておきます。
帰られてから「さあ、どこへ最初の石を投げようか」となったら、そこから一緒に具体的な作業にしていきましょう。
どうぞお気をつけて、行ってきてください。 【終わり】





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