★0810-11「安全・迅速はダブルストックのおかげでした」
▲木曽・駒ヶ岳 2010




★0810-11「安全・迅速はダブルストックのおかげでした」木曽・駒ヶ岳=2010
中央アルプスの木曽・駒ヶ岳(標高2,956m)は現地では「西峰」と呼ばれているそうで、南アルプスの甲斐・駒ヶ岳(標高2,967m)の「東峰」とは天竜川の伊那谷をはさんで間近?に向かい合っている山なんですね。でもアプローチの便利さから伊那谷側がオモテで、木曽川がウラという感じがしてしょうがないのです。何軒かの山小屋も伊那谷側の経営で、山頂にただ一軒「木曽小屋」があるのです。私はその木曽小屋に泊まって、木曽川の木曽福島へと下ってみようと考えました。
計画書には──「e」ですから1日目は軽く登って、2日目は長いながら下りをゆっくりと楽しもうという計画です。──と書きました。もちろん私自身初体験ですから「ゆっくりと楽しもう」などという保証はできず、さらに「e」という「未経験者も可」というきわどい募集をしたのです。
糸の会は私のワンマン登山講習会で、私は「山屋」ではなく「たんけん屋」ですから「危険」と「安全」の判断基準がすこしちがうと思います。若い頃に参加した「AMKAS探検学校」というのも、パスポートをまだ持っていない人を対象に、「1日10ドル」の予算でできるだけ「一人旅をしてみる」という乱暴な基本方針でアジアとアフリカに7回ほど、大学探検部・山岳部出身でまだ身分の定まらない連中が交代でリーダーとなって「やってみた」のです。のちに振り返ってみると私の「糸の会」はその危機管理において、あぶなっかしい「探検学校」の方針が「つらぬかれていた」と感じます。
……でどうなっていたかというと大発見! 私が糸の会の当初から確信していた「ダブルストックを使うと下りの能力が格段にアップする」というわかりやすい写真が、ここで撮れたのです。
見てください、ここに写っているみなさんが、ダブルストックを使っていなかったら、大きな岩をひとつひとつ「安全に」下るのに、どれほどの時間を必要としたことか。みなさんが、ほとんど例外なく、文句のつけようのないストックさばきで下っている写真になっているのは奇跡的です。
糸の会の中心は女性ですから、登りでは男性登山者にどんどん追い越されていきます。しかし下りになるとベテランと自認するような男性登山者に劣らないスピードで、かつ足元に不安を感じさせずに行動できるのです。また、私は予想を越える難所に遭遇した時にはロープを出したりしますが、ほとんどは下りの時間を大幅に長くとって下山が夜になっても構わない、という時間延長策で安全を確保しようと考えるのです。ゆっくり歩くしかない状況で、ダブルストックはさらに頼りになる安全装備となるからです。
▲写真85点