発見写真旅・展(6)――2012.6.19 入笠山(11パワー)
発見写真旅・展(6)――2012.6.19 入笠山(11パワー)



★糸の会山行[821]入笠山(11パワー)────2012.6.19
*登り6p→下り5p

糸の会「6d入笠山」は大阿原湿原までタクシーで入って、下山はロープウェイという超とかウルトラがつく軽い計画でしたから、「発見写真旅」を設定しました。しかも天気予報では台風4号が本州上陸かという日、夕方には中央線が止まる不安もかかえていました。
私たちは1030から約1時間半をかけてゆっくりと大阿原湿原を一周(気温約12℃)。1250に山頂に 着いて、すぐ下山に移り、スズランなどを見、山彦荘で暖かい飲み物で休憩。1500にロープウェイに乗りました。

今回の写真出展メンバーは以下の4人です。
小松 恒彦(5点)
伊藤 幸司(5点)
齊藤 紀久子(3点)


【01】から始まる本編の写真は提出された写真をシャッフルしてランダムに並べた「仮展示」の状態のままです。
ネット上での二次的な「発見写真旅」を楽しんでいただいた方から、そこにさまざまな「投票」が寄せられました。
投票締切後、それぞれの写真に撮影者のキャプション(あらかじめ提出されていました)を加えたので、写真の意図が初めて明らかにされたというものもあるかもしれません。この段階でも二次的な「発見写真旅」を楽しんでいただけるかと思います。
さらに写真サンプルを撮影者別に並べた索引ページを作りました。そのサンプル写真からも展示写真に飛ぶことができます。


撮影:小松 恒彦

【01】 【06】 【09】 【04】 【12】


【01】曲がりくねった姿、白樺の枯れ木のようだ。高木に光を遮られ、右へ左へと光を求め続けたのだろうか。「もっと光を」天に向かって叫んでいるのかも。
【06】大阿原湿原入口からの樹林帯を抜け、湿原に出ると霧で真っ白。木道が続いているので道に迷う心配はありませんが。白樺や唐松などがぼんやりと霧の中に浮かび上がっては消えていきます。
【09】この時期、大阿原湿原は白っぽい小さな花が多いようです。しばらく木道を歩いていくと、比較的大きくて赤い花、クリンソウに出会いました。雨のしずくを纏い、まさに「水も滴る美しい花」でした。
【04】霧と小雨の大阿原湿原、しっとりと濡れた花や草木が次々と現れます。厳しい自然に耐え、毎年あたりまえのように私たちをを楽しませてくれます。生き物の力強さ、不思議さを感じます。これは松の一種なのでしょうか、小枝が地表に広がって、結晶のようです。
【12】大阿原湿原の周回路もふたたび樹林に入ると朽ちた大木が目立ちます。霧が漂う、苔むした中を進んでいくと、突然目の前に現れました。巨大昆虫が。ちょっとオーバーかな。


撮影:伊藤 幸司

【08】 【07】 【11】 【13】 【02】


【08】ズミの木です。上高地にある小梨平の小梨はこれです。この企画、じつはこのズミの花が全部咲いた状態を狙っていました。残念ながらそれがこの状態。でも四方八方へ直線的に伸びようとする枝に、信じがたいほどたくさんのつぼみをつけてズミらしい表情にはなっていました。このズミの木が大阿原湿原にはたくさんあるのです。
【07】咲いていたズミの花です。リンゴの仲間なんですね。たしかコリンゴという名の木もあって、そちらのほうが花がかわいい。しかし無駄に思えるほどたくさんの小さな花をつけるズミですが、花のひとつ一つの造作はきちんとしています。
【11】濃い霧に包まれてよく見えない……というのはまちがい。背景が消し去られると、いろんなものが浮かび上がってきます。6月でこの状態ということは、この木は健全なのでしょうか。わからないけれど、気分良く踊っている姿に見えました。
【13】入笠山ではスズランがほとんど無限に広がっている感じがしました。これは有名な入笠湿原ではなくて、山頂から下ってマナスル山荘のところに出る手前に緩やかな草原の斜面が広がっています。真冬には、その雪の斜面を好き勝手に下る、あの斜面です。じつはそこもスズランで埋め尽くされていて、そのほとんど最初に見たのがこのスズラン。虫に雨宿りの場所を提供していました。それからずっと軒貸しスズランを探しましたが、これが最初で最後でした。
【02】2005年6月14日に今回とほとんど同じルートで入笠山を歩きました。大阿原湿原のズミは満開、そこで出会った地元の人が、スズランも今年は初めて見る大豊作だと教えてくれました。その年はシャクナゲとシロヤシオの大豊作で全国にシャクナゲを見に行く「冥土の土産」シリーズを展開していたところでした。そのときの入笠山は甲武信ヶ岳の十文字峠にシャクナゲを見に行く前日の腹ごなしでしたが、今年の、このスズランも、その時のスズランとほとんど同じ満開だったと思います。ズミには早すぎましたが、スズランには当たりました。


撮影:齊藤 紀久子

【05】 【03】 【10】


【05】霧雨煙る大阿原湿原は、台風4号襲来のおかげで全くの貸切状態。カッコウ、ホトトギス、ウグイス達の「のど自慢大会」のようでもありました。Oさんのルーペを拝借して撮った「ルーペの中と外」 アイディアもOさんです。 が、撮影者はワタクシです。
【03】霧のベールに包まれ、まるで謎の美女の「妖しげな微笑み」を漂わせる 蓮華躑躅。 触れなば落ちん ではなく、開かん、という風情ながら、その瞬間は決して誰にも見せまいと、高慢な唇をきりりと結んで・・・・・・・帰りの中央線でのまどろみに現れた謎の美女は確かにチラリとウインクしてみせました。その日の主役である筈のスズランは、群落というより「すずらんの海」というにふさわしい印象でした。
【10】無計画に、行き当たりばったりに作ってしまった 「蜘蛛の巣」。まだまだ修行中の若蜘蛛の作品でしょうか? この蜘蛛の、糸の行方が、同じ「糸仲間」としては何となく気になるところです。


 


【01】撮影:小松 恒彦
曲がりくねった姿、白樺の枯れ木のようだ。
高木に光を遮られ、右へ左へと光を求め続けたのだろうか。
「もっと光を」天に向かって叫んでいるのかも。

■投票:林 智子
私は この世のものでは ございません。
少しの間だけ この森で 吐息して・・生きていたのでございます。
でも もう帰らねばなりませぬ。
私の 行く先は 私にも 分からぬので ございます。

■投票:齊藤紀久子
彼方の木陰から、ひらりと白いドレスの裾をひるがえして妖精が現れそうな
と思って見ていたら・・・・・・・???
左上の隅っこにチョコット写っている物は?? ああそうそう、あの日は傘をさしての撮影でしたね。(ばらしちゃってゴメンナサイ) 撮影者がコーチだったらウレシイけど・・・?

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【02】撮影:伊藤 幸司
2005年6月14日に今回とほとんど同じルートで入笠山を歩きました。
大阿原湿原のズミは満開、そこで出会った地元の人が、
スズランも今年は初めて見る大豊作だと教えてくれました。
その年はシャクナゲとシロヤシオの大豊作で全国にシャクナゲを見に行く「冥土の土産」シリーズを展開していたところでした。
そのときの入笠山は甲武信ヶ岳の十文字峠にシャクナゲを見に行く前日の腹ごなしでしたが、今年の、このスズランも、その時のスズランとほとんど同じ満開だったと思います。
ズミには早すぎましたが、スズランには当たりました。

■投票:林 智子
こんなに たくさんの すずらんは みたことがありません。
北海道の 憧れの 修道院の お庭にも このような 光景は
みることができないでしょう。
すずらんは ちょっと 悲しい 思い出。

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【03】撮影:齊藤 紀久子
霧のベールに包まれ、まるで謎の美女の「妖しげな微笑み」を漂わせる 蓮華躑躅。
触れなば落ちん ではなく、開かん、という風情ながら、
その瞬間は決して誰にも見せまいと、高慢な唇をきりりと結んで・・・・・・・
帰りの中央線でのまどろみに現れた謎の美女は
確かにチラリとウインクしてみせました。
その日の主役である筈のスズランは、群落というより「すずらんの海」
というにふさわしい印象でした。

■投票:林 智子
夢・幻・やっぱり・・・・夢・幻。
私の手には届かない。

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【04】撮影:小松 恒彦
霧と小雨の大阿原湿原、しっとりと濡れた花や草木が次々と現れます。
厳しい自然に耐え、毎年あたりまえのように私たちをを楽しませてくれます。
生き物の力強さ、不思議さを感じます。
これは松の一種なのでしょうか、小枝が地表に広がって、結晶のようです。

■投票:林 智子
私ってつんつん しゃかりきに がんばって生きてるの。
小さいけれど がんばるの。私に触ると 怪我するぞ!
小さいくせに 威張ってる。
口をそろえて 言ってます。

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【05】撮影:齊藤 紀久子
霧雨煙る大阿原湿原は、台風4号襲来のおかげで全くの貸切状態。
カッコウ、ホトトギス、ウグイス達の「のど自慢大会」のようでもありました。
Oさんのルーペを拝借して撮った「ルーペの中と外」 アイディアもOさんです。
が、撮影者はワタクシです。

■投票:林 智子
北国の ピーンと 空気の張り詰めた冬の日は 赤い口紅が
よく 似合う。
この森は 初夏だけれど 葉の先の滴は 透明で 繊細で なんと
美しいのだろう。
ハンサムな女と 真っ赤な口紅・・・好きです。

■投票:伊藤 幸司
この写真は麻薬です。虫眼鏡を片手でかざして、片手でカメラを目に当てて、虫眼鏡に映った光景を撮るのです。
フィルム時代のカメラでは虫眼鏡の真ん中だけがクローズアップされて意外な発見がありました。
デジタルコンパクトカメラはもともとクローズアップ撮影が得意ですから虫眼鏡など必要ないのですが、この写真のように遠近ふたつの光景を合体させることができます。
やり始めると癖になる麻薬です。

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【06】撮影:小松 恒彦
大阿原湿原入口からの樹林帯を抜け、湿原に出ると霧で真っ白。
木道が続いているので道に迷う心配はありませんが。
白樺や唐松などがぼんやりと霧の中に浮かび上がっては消えていきます。

■投票:林 智子
地震が起きても 津波が押し寄せても あなたは 生きていてくれますか?
一人ぼっちになっても 生きていてくれますか?
苦しくても 淋しくても 生きていてくれますか?
気高い志を 持ちながら 生きていてくれますか?

■投票:伊藤 幸司
濃い霧が漂っていました。遠くの木がふわ〜っと現れたり、す〜っと消えたりしていました。撮影者は、おそらくその一番幻想的な瞬間にシャッターを押したのだろうと思います。
この写真はたぶん撮影者のその時の印象を素直に伝えているか、思った以上にうまく伝えているか……だと思います。
カメラが自分の印象をうまく撮ってくれるという信頼関係がだんだん構築されていきます。

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【07】撮影:伊藤 幸司
咲いていたズミの花です。
リンゴの仲間なんですね。
たしかコリンゴという名の木もあって、そちらのほうが花がかわいい。
しかし無駄に思えるほどたくさんの小さな花をつけるズミですが、
花のひとつ一つの造作はきちんとしています。

■投票:林 智子
数年前の 尾瀬の秋の 紅葉は もうもう 不思議なぐらい
葉っぱが透き通っていて あまりにそれが 美しくて
私たちは 言葉もなかった。
この 可憐に 露に濡れた はなびらの 一枚 一枚は
たおやかに すきとおり いとおしい。
言葉は いらないのだなあ・・と 思う。

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【08】撮影:伊藤 幸司
ズミの木です。上高地にある小梨平の小梨はこれです。
この企画、じつはこのズミの花が全部咲いた状態を狙っていました。
残念ながらそれがこの状態。
でも四方八方へ直線的に伸びようとする枝に、信じがたいほどたくさんのつぼみをつけてズミらしい表情にはなっていました。
このズミの木が大阿原湿原にはたくさんあるのです。

■投票:林 智子
<おう。君たち 来てくれたのか!
待ってたぜ。
せいいっぱい 遊んでいきな!>
威勢の良い 兄貴の 歓迎の言葉です。
<あにきー。うれしいぜ!>

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【09】撮影:小松 恒彦
この時期、大阿原湿原は白っぽい小さな花が多いようです。
しばらく木道を歩いていくと、比較的大きくて赤い花、クリンソウに出会いました。
雨のしずくを纏い、まさに「水も滴る美しい花」でした。

■投票:林 智子
世の中の みるもの 聞くものは 不思議がいっぱいだ。
山の中でも 不思議はいっぱい。
特に 花の形の 不思議さは 尋常じゃない。
<どうして 神様は わざわざ こんな型に?>と 
思うこと たびたびの バランスの悪い 気の毒な
花も 咲いている・・・・けれど・・
とんでもない!
倒れそうで 倒れない 絶妙な 黄金比。
ささやかに 蜘蛛の糸が 垂れているところが
泣かせます。
神様。奥が深いですね。ピンクが綺麗だ。

■投票:伊藤 幸司
木道というより板張りというべき道が小さな流れを横切りました。そこに左右2本あったクリンソウの片方(たぶん右側)だと思います。
しゃがみ込んでクリンソウを挨拶する気分が、花を親しい感じにしているように思います。10秒間見ていると、花の一つひとつの個性が感じられるように思えます。

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【10】撮影:齊藤 紀久子
無計画に、行き当たりばったりに作ってしまった 「蜘蛛の巣」。
まだまだ修行中の若蜘蛛の作品でしょうか?
この蜘蛛の、糸の行方が、同じ「糸仲間」としては何となく気になるところです。

■投票:林 智子
スノウホワイトの ままははが 住んでいる 宮殿。
小さな 女の子が そっと 手で触れ そっと 唇で
触れてみる・・
真珠の 首飾り。
<私の首にかけてください・・・>
ジュリーが 歌いました。

■投票:伊藤 幸司
なかなかこんなふうには撮れないのですよね。明るさや背景との明暗差によって水滴の見え方が大きく変わるからです。でも単純に「いいな」と思ったら撮ってみる。あとは神さまが決めてくれると開き直れば大小華やかなビーズ飾りが写ってしまう。……いや「写しました」ですか。

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【11】撮影:伊藤 幸司
濃い霧に包まれてよく見えない……というのはまちがい。
背景が消し去られると、いろんなものが浮かび上がってきます。
6月でこの状態ということは、この木は健全なのでしょうか。
わからないけれど、気分良く踊っている姿に見えました。

■投票:林 智子
山の中を 歩いていると 一本の木が 語りかけてきた。
Aくんだ。
最初 Aくんは 私に 文句を言ってるようだったが 
<ん?>と 見返していたら なんと 踊り出した。
ソーラン節でも 踊っているのか 
<やれ・そーらん・そーらん>だって。
どうやら おこっているようでも なさそうだ。

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【12】撮影:小松 恒彦
大阿原湿原の周回路もふたたび樹林に入ると朽ちた大木が目立ちます。
霧が漂う、苔むした中を進んでいくと、突然目の前に現れました。
巨大昆虫が。
ちょっとオーバーかな。

■投票:林 智子
元気に踊っていた<Aくん>だって 年をとっちゃった。
今は 骨と皮・・足も細くなり いっちゃ悪いけど
老いさらばえるって こういうことかしらん?
徘徊だってしていそうだ。
でも 泣くほどのこともない。
<Aくん>は 全然 平気。元気だもの。
Aくん。いつまでもいつまでも よれよれの
ソーラン節 踊ってね。
尊敬してます。

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【13】撮影:伊藤 幸司
入笠山ではスズランがほとんど無限に広がっている感じがしました。
これは有名な入笠湿原ではなくて、山頂から下って
マナスル山荘のところに出る手前に緩やかな草原の斜面が広がっています。
真冬には、その雪の斜面を好き勝手に下る、あの斜面です。
じつはそこもスズランで埋め尽くされていて、
そのほとんど最初に見たのがこのスズラン。虫に雨宿りの場所を提供していました。
それからずっと軒貸しスズランを探しましたが、これが最初で最後でした。

■投票:林 智子
かわいい かわいい すずらんです。
まるで ベルのようじゃないか・・と思い 
だから すずらんという 名前なんだなーと
一人で 納得。
あら 私って 普段 何もみず 何も考えないで
いるんだねーと 一人で納得。へんねー。
こういうの おバカさんというのです。
しっかり せねば。
小さい虫さんは すごく がんばっています。
えらいぞ。えらいぞ。


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